わかりやすい地質百科

鍵層(けんそう)

一般的には「かぎそう」といいます。

地質調査において、互いに離れた2つの地域に認められる地層の新旧を決める作業を「地層の対比」といい、この地層の対比や区分をする際に一つの基準となるのが「鍵層」です。鍵層には通常、火山灰(テフラ)の層・石灰岩の層・石炭の層・化石を含んだ層などが用いられます。しかしながら、どのような地層が鍵層として有効であるかについては、問題とする地域の広さや地質によって異なるため、一概にいうことはできません。

火山灰の層で地表の対比を行う解説図
例 火山灰
別々の火山から噴出した火山灰の性質はその火山ごとに異なっています。ところが、同じ火山の火山灰であっても噴火の時期が異なると、その火山灰に含まれる鉱物や粒の大きさなどに多少なりとも違いが生じているのが普通です。これにより、互いに離れた地域の火山灰の性質についても、容易にそれらが同じであるか否かを決めることが可能となります。この性質のために、火山灰の層は鍵層としてしばしば地層の対比に利用されています。

以上を簡単にまとめると、鍵層は次に示すような条件を備えた地層であるということができます。

  1. 広い範囲にわたって同じ時期に堆積したもの
  2. 鉱物組成や化学成分などが上下を含めた他の地層とはっきり区別できるもの

地質調査において、鍵層の利用はその地域の層の積み重なり方や地質構造の解明を容易にしています。

鍵層の例(美祢の石炭層)
鍵層の例。美祢の石炭層の写真。

「東邦地下工機株式会社 田上(たうえ)貴裕」

参考文献
斎藤正徳・富田晋高(1994):基礎からよくわかる地学ⅠB,旺文社, p327.
地学団体研究会(1996):新版 地学事典,平凡社,p1443.

 

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