わかりやすい地質百科

地下水位測定

工事に伴う地下水調査において、水位測定は最も基本的な事項として重要です。調査現場での地下水位の測定方法は手動の触針式水位計が一般的ですが、長期水位観測等では最近は自動計測が主流となっています。自動水位測定の手法にはいくつかの種類があり、フロートの上下をメカニカルにチャート紙に記録する方法や、圧力センサーを用いた水位測定法等があります。これらの方法には、それぞれ一長一短があり、用途、使用環境に応じて使い分けられています。

a)フロートタイプ
自動水位測定機器。フロートタイプ写真

b)圧力センサータイプ
自動水位測定機器。圧力センサータイプ写真

地下水位測定機器概要

自動計測型水位計は、測定データを長期間記録させることが可能ですが、機器の故障、誤動作、電池切れ、日差の集積、記録の整理等を考えて、定期的に保守点検を兼ねたデータ収録を行い、欠測のないデータを収録するように心掛けます。また、水位観測データは、データ一覧表だけでなく水位経時変動図として降水量の変動と対比できるように整理し、工事との関係を考察します。

自動計測型水位計による観測データグラフ例

「株式会社ソイル・ブレーン 河村志朗」

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地表踏査~走向傾斜をはかる

地質調査を行なう上で最も基本的な事項に位置付けられるもののひとつに『地表踏査』があります。文字通り地表を自らの『足』を使って歩き、地表で確認できる地学現象を調べていきます。その対象は、地形図にみられないような微地形であり、地表で観察される地質であり、あるいは湧泉(湧水のみられる箇所)であったりとその目的により様々です。

このうち地質調査に絞って考えることにしますが、地質学を専門とする技術者の多くは広い視野で調査目的箇所とその周辺の地質を捉えようとします。 それは、普通の人ならいやがるような山に分け入り、地層が露出している箇所(露頭)を探し、そしてわずかに露出した部分からより多くの情報を集め細かく記載していきます。

それは、岩石の種類や割れ目の状態、硬さや風化の程度、周囲との連続性、etc...です。ここでは、こういう一連の地表踏査の中で最も基本的な技能である『走向傾斜をはかる』を説明しましょう。

最初に用語の説明をしておきますが、地層や断層などの傾斜した面と水平面との交線の延びていく方向を『走向』といい、それに直交する方向は最大傾斜を示し、その面の『傾斜』と呼ばれます。この二つの要素を測定、記録することを『走向傾斜をはかる』といいます。

写真に一般的なクリノメーターを示します。

クリノメーターは磁針と水準器、傾斜を測定するための振り子より構成されています。そして外側の目盛は方位を測定する時に使われ、内側の目盛は傾斜を測定する時に使われます。普通のコンパスと違うのは、方位の目盛のEとWが逆になっている点でこの理由は後ほど説明します。

クリノメーター写真
クリノメーター
  1. 磁針
  2. 目盛(方位)
  3. 目盛(傾斜)
  4. 傾斜測定用の振り子
  5. 水準器

図1-aでは、クリノメーターの長辺を地層に密着させ、走向を測定しています。このとき、水準器が水平になるように、長辺を地層面に密着させなくてはなりません。 図1-bにはこのときのクリノメーターの磁針の様子を示しました。磁針はNから60°Wへ寄ったところにあります。これをNを基準にN60°W(あるいはSを基準にS60°EでもOK)と記録します。クリノメーターの目盛のEとWが普通のコンパスと逆位置になっているのは、クリノメーターの目盛がクリノメーターの長辺の方位を示すように作られているからです。

図1-a 走向の測定方法
図1-a 走向の測定方法

図1-b クリノメーターの読み
図1-b クリノメーターの読み

図2-aはクリノメーターの長辺を傾斜方向に向け傾斜方位を読んでいるところです。 この場合の傾斜方向は図2-bに示すようにSW方向です。

図2-a 傾斜方向の測定方法
図2-a 傾斜方向の測定方法

図2-b クリノメーターの読み
図2-b クリノメーターの読み

傾斜の測定方法を図3-aに示します。今度はクリノメーターを立てて長辺が傾斜方向を向くように密着させます。そして、クリノメーターの目盛のところの振り子の指し示す角度を内側の目盛を使って読みます。この場合傾斜は30°です。

こうやって測定された走向傾斜は、N60°W30°SWなどと表記されます。

図3-a 傾斜の測定方法
図3-a 傾斜の測定方法

図3-b クリノメーターの読み
図3-b クリノメーターの読み

「株式会社藤井基礎設計事務所 新宮敦弘」

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