わかりやすい地質百科

天然ダム

 数100mmを超える降雨や大規模な地震等では山腹斜面の深部の基岩部分を含む深層崩壊等により、多量の土砂が河川に堆積し流水をせき止めるものを天然ダムといいます。天然ダムは水位が上昇し、天端から越流を始めると決壊し、下流に大量の土砂と水が流れることがあります。流域面積(雨が集まる範囲の面積)が広い天然ダムでは数時間で決壊することもあります。
 越流以外にも漏水で堤体を形成する土砂が流れ出すこと(パイピング)による決壊や天然ダムの堤体内水位が上昇して堤体がすべりを生じることにより崩れるケースもあります。

湛水池と深層崩壊斜面、天然ダム堤体の写真
図1 平成23年台風12号による天然ダムと深層崩壊斜面(奈良県十津川村栗平地区)

「株式会社エイト日本技術開発 海原荘一」

 

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深層崩壊

 深層崩壊とは山腹斜面の表層の堆積土砂層だけでなく、深部の基岩(岩盤)部分を含む深度の大きい斜面崩壊のことです。深層崩壊の発生は地下の地質構造(割れ目の方向など)や深層地下水が影響して生じると考えられています。また、降り始めからの雨量が数百mmという大きな降雨や大規模な地震により発生します。深層崩壊は降雨終了後数時間以上経過して発生することもあります。
 地すべりも基岩部分を含む土塊の移動現象ですが、地すべりは土塊の移動速度が遅いものが多いのに比べ、深層崩壊は崩壊土砂の動きが速く一瞬で広い範囲の山腹斜面が崩れてしまうこともあります。
 深層崩壊では崩壊土砂が数百万m3に及び、河道部ではその崩壊土砂で天然ダムを形成することもあります。河川の対岸で生じた深層崩壊で被災するなど表層だけが崩壊するケースよりも被害の及ぶ範囲が広いという特徴があります。
 近年では2008年の岩手・宮城内陸地震や2011年台風23号により紀伊半島で深層崩壊が発生しています。

深層崩壊斜面
図1 平成23年台風12号による深層崩壊斜面(奈良県五條市大塔町赤谷地区)

「株式会社エイト日本技術開発 海原荘一」

 

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