わかりやすい地質百科

リニアメント

地質調査において、断層や地すべり地形などの調査を行う際には、空中写真と呼ばれる飛行機などによって空中から地表を垂直に撮影した写真がよく用いられます。そして、この空中写真を見ていると直線状の模様に気付くことがあります。これがいわゆるリニアメント(線状模様)であり、空中写真からリニアメントなどを見つけ出す作業を空中写真判読といいます。

リニアメントは、直接的または間接的に地下の地質や構造等を反映しているため、断層などの存在による地形とされることが多くあります。これは、断層の存在箇所では岩石が破砕されて周囲より軟質で崩れやすくなっていることから、地形的に窪みとなり、線状の地形をつくるためとされています。しかしながら、線状模様は何も断層によってのみできるわけではありません。例えば、頁岩の層などの軟質な地層、岩脈と母岩の境界変質部、褶曲軸なども線状の地形をつくることが多いので、線状模様すなわち断層というわけではないのです。

また、いかに詳細で鮮明な空中写真を用いてリニアメントを見出しても、写真はあくまで写真であって、現地踏査によるチェックに勝るものはないということを忘れてはいけません。

リニアメントの例(山口県のランドサット画像)
リニアメントの例。山口県のランドサット画像
山口県にはNE-SW方向のリニアメントが多い

「東邦地下工機株式会社 田上(たうえ)貴裕」

参考文献
羽田 忍(1991):土木地質学入門,築地書館,p175.
地学団体研究会(1996):新版 地学事典,平凡社,p1443.

 

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鍵層(けんそう)

一般的には「かぎそう」といいます。

地質調査において、互いに離れた2つの地域に認められる地層の新旧を決める作業を「地層の対比」といい、この地層の対比や区分をする際に一つの基準となるのが「鍵層」です。鍵層には通常、火山灰(テフラ)の層・石灰岩の層・石炭の層・化石を含んだ層などが用いられます。しかしながら、どのような地層が鍵層として有効であるかについては、問題とする地域の広さや地質によって異なるため、一概にいうことはできません。

火山灰の層で地表の対比を行う解説図
例 火山灰
別々の火山から噴出した火山灰の性質はその火山ごとに異なっています。ところが、同じ火山の火山灰であっても噴火の時期が異なると、その火山灰に含まれる鉱物や粒の大きさなどに多少なりとも違いが生じているのが普通です。これにより、互いに離れた地域の火山灰の性質についても、容易にそれらが同じであるか否かを決めることが可能となります。この性質のために、火山灰の層は鍵層としてしばしば地層の対比に利用されています。

以上を簡単にまとめると、鍵層は次に示すような条件を備えた地層であるということができます。

  1. 広い範囲にわたって同じ時期に堆積したもの
  2. 鉱物組成や化学成分などが上下を含めた他の地層とはっきり区別できるもの

地質調査において、鍵層の利用はその地域の層の積み重なり方や地質構造の解明を容易にしています。

鍵層の例(美祢の石炭層)
鍵層の例。美祢の石炭層の写真。

「東邦地下工機株式会社 田上(たうえ)貴裕」

参考文献
斎藤正徳・富田晋高(1994):基礎からよくわかる地学ⅠB,旺文社, p327.
地学団体研究会(1996):新版 地学事典,平凡社,p1443.

 

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地層と化石

がけやきり通しなどで、よく縞模様をみかけることがありますね。地層は、砂や泥、れき、火山灰、生物の死がいなどがたい積してできます。

地層の写真近くからよく見ると、板を重ねたように層をつくっているのがわかりますね。

単層地層の写真板を何枚も重ねたように見える部分を単層といい、単層と単層面を地層面または層理面といいます。

地層はどのようにしてできるのでしょうか

地層の写真

地層は水平にたい積しますので、下にある地層の方が古く、上に行くほど新しくなります。

地層はたい積したあとに地殻変動で傾斜したり、しゅう曲し、上下が逆 になったりすることがあります。

地層の重なり方にはせいごう(整合)とふせいごう(不整合)があります。

しゅうきょく(褶曲)

たい積した当時は水平であった地層が、地殻変動のために波状に曲げられた現象をいいます。(フェニックスのしゅう曲)

しゅう曲地層の写真

  1. 地層は普通、水平にたい積します。
    水平にたい積している地層の模式図
  2. 長い月日の間に地層に強い力が加わるとひずみが生じます。
    ひずみが生じている地層の模式図
  3. さらに力が加わり続けると、複雑に曲げらた地層ができます。
    さらに力が加わり複雑に曲げられた地層の模式図

せいごう(整合)とふせいごう(不整合)

地層の重なり方は二種類あります。不整合は、地殻変動があったことを示す証拠になります。

整合地層の写真
せいごう(整合)
上下の地層の重なり方がほとんど連続してたい積(地層の重なりが平行になっているもの)した場合のことをいいます。
不整合地層の写真
ふせいごう(不整合)
時代の異なる地層が重なる時、両者の境界をふせいごう(不整合)といいます。

化石のできかた

地層の中に残された生物の死骸・から・足あとなど生物の残した生活のあとを化石といいます。生物のかたい骨や歯などは化石として残りやすいものです。

化石によって何がわかるのでしょうか

化石を調べると、地層のできた時代を知ることができます。

地層の時代を決めるのに役立つ化石を標準化石示準化石ともいう)といいます。

サンヨウチュウ(古生代)やアンモナイト(古生代の中期)やフズリナ(古生代の後期)などが有名です。

コハクの写真
コハク (琥珀)

アンモナイトの化石写真
アンモナイト

エイの化石写真
エイ

三角貝トリゴニアの化石写真
三角貝トリゴニア

トンボの化石写真
トンボ

フズリナの化石写真
フズリナ

サソリの化石写真
サソリ

サンヨウチュウの化石写真
サンヨウチュウ

ワンソク類の化石写真
ワンソク類

化石の中には、長い地質時代を通して、あまり進化しないで生き続けたなかまがいます。

生きている化石

現在生きているカブトガニは、、古生代初期のものとほとんど変っていません。

この他には、シーラカンス、イチョウ(銀杏)、オウム貝、ハイギョ、オウム貝、ミドリシャミセンガイなど も生きている化石といわれています。

カブトガニの写真
カブトガニ

シーラカンスの写真
シーラカンス

イチョウの化石写真
イチョウ(銀杏)

オウム貝の写真
オウム貝

ハイギョの写真
ハイギョ

ミドリシャミセンガイの写真
ミドリシャミセンガイ

(内海建設コンサルタント株式会社 勝原建夫)

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地下水位測定

工事に伴う地下水調査において、水位測定は最も基本的な事項として重要です。調査現場での地下水位の測定方法は手動の触針式水位計が一般的ですが、長期水位観測等では最近は自動計測が主流となっています。自動水位測定の手法にはいくつかの種類があり、フロートの上下をメカニカルにチャート紙に記録する方法や、圧力センサーを用いた水位測定法等があります。これらの方法には、それぞれ一長一短があり、用途、使用環境に応じて使い分けられています。

a)フロートタイプ
自動水位測定機器。フロートタイプ写真

b)圧力センサータイプ
自動水位測定機器。圧力センサータイプ写真

地下水位測定機器概要

自動計測型水位計は、測定データを長期間記録させることが可能ですが、機器の故障、誤動作、電池切れ、日差の集積、記録の整理等を考えて、定期的に保守点検を兼ねたデータ収録を行い、欠測のないデータを収録するように心掛けます。また、水位観測データは、データ一覧表だけでなく水位経時変動図として降水量の変動と対比できるように整理し、工事との関係を考察します。

自動計測型水位計による観測データグラフ例

「株式会社ソイル・ブレーン 河村志朗」

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地表踏査~走向傾斜をはかる

地質調査を行なう上で最も基本的な事項に位置付けられるもののひとつに『地表踏査』があります。文字通り地表を自らの『足』を使って歩き、地表で確認できる地学現象を調べていきます。その対象は、地形図にみられないような微地形であり、地表で観察される地質であり、あるいは湧泉(湧水のみられる箇所)であったりとその目的により様々です。

このうち地質調査に絞って考えることにしますが、地質学を専門とする技術者の多くは広い視野で調査目的箇所とその周辺の地質を捉えようとします。 それは、普通の人ならいやがるような山に分け入り、地層が露出している箇所(露頭)を探し、そしてわずかに露出した部分からより多くの情報を集め細かく記載していきます。

それは、岩石の種類や割れ目の状態、硬さや風化の程度、周囲との連続性、etc...です。ここでは、こういう一連の地表踏査の中で最も基本的な技能である『走向傾斜をはかる』を説明しましょう。

最初に用語の説明をしておきますが、地層や断層などの傾斜した面と水平面との交線の延びていく方向を『走向』といい、それに直交する方向は最大傾斜を示し、その面の『傾斜』と呼ばれます。この二つの要素を測定、記録することを『走向傾斜をはかる』といいます。

写真に一般的なクリノメーターを示します。

クリノメーターは磁針と水準器、傾斜を測定するための振り子より構成されています。そして外側の目盛は方位を測定する時に使われ、内側の目盛は傾斜を測定する時に使われます。普通のコンパスと違うのは、方位の目盛のEとWが逆になっている点でこの理由は後ほど説明します。

クリノメーター写真
クリノメーター
  1. 磁針
  2. 目盛(方位)
  3. 目盛(傾斜)
  4. 傾斜測定用の振り子
  5. 水準器

図1-aでは、クリノメーターの長辺を地層に密着させ、走向を測定しています。このとき、水準器が水平になるように、長辺を地層面に密着させなくてはなりません。 図1-bにはこのときのクリノメーターの磁針の様子を示しました。磁針はNから60°Wへ寄ったところにあります。これをNを基準にN60°W(あるいはSを基準にS60°EでもOK)と記録します。クリノメーターの目盛のEとWが普通のコンパスと逆位置になっているのは、クリノメーターの目盛がクリノメーターの長辺の方位を示すように作られているからです。

図1-a 走向の測定方法
図1-a 走向の測定方法

図1-b クリノメーターの読み
図1-b クリノメーターの読み

図2-aはクリノメーターの長辺を傾斜方向に向け傾斜方位を読んでいるところです。 この場合の傾斜方向は図2-bに示すようにSW方向です。

図2-a 傾斜方向の測定方法
図2-a 傾斜方向の測定方法

図2-b クリノメーターの読み
図2-b クリノメーターの読み

傾斜の測定方法を図3-aに示します。今度はクリノメーターを立てて長辺が傾斜方向を向くように密着させます。そして、クリノメーターの目盛のところの振り子の指し示す角度を内側の目盛を使って読みます。この場合傾斜は30°です。

こうやって測定された走向傾斜は、N60°W30°SWなどと表記されます。

図3-a 傾斜の測定方法
図3-a 傾斜の測定方法

図3-b クリノメーターの読み
図3-b クリノメーターの読み

「株式会社藤井基礎設計事務所 新宮敦弘」

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スレーキング

スレーキングとは塊状の物質(土塊や軟岩)が乾燥、吸水を繰り返すことにより、細かくばらばらに崩壊する現象をいう。

モンモリロナイトを含む第三紀層泥岩のスレーキング現象

浸水前状況
モンモリロナイトを含む第三紀層泥岩のスレーキング現象。浸水前の状況写真。

浸水後5時間
モンモリロナイトを含む第三紀層泥岩のスレーキング現象。浸水後5時間後の写真。

スレーキングのメカニズムには主として、次の2つの考え方がある。

  1. 乾燥、吸水が繰り返されると収縮膨張現象で微細なクラックが発生、それが増加して破壊作用が進む。
  2. 乾燥した状態で水が微細なクラックや間隙に浸入すると毛管力の作用で水が内部に引き込まれる。これにより、間隙中の空気が圧縮され、空気圧が上昇する。この、空気圧によって破壊現象が生じる。

スレーキングのメカニズムとしては、以上のようなことが考えられているが、粘土鉱物のモンモリロナイト(スメクタイト)が含まれている場合、スレーキング現象が顕著となる。これは、モンモリロナイトの膨張性によるものであり、水分を吸収したモンモリロナイトが膨張して破壊を発生させるからである。

一般的に、スレーキングを起こす岩石は、第三紀から第四紀の堆積岩で、泥岩、凝灰岩に多い。土木地質的には、スレーキングを起こしやすい岩は盛土材料としては強度低下を起こしたり、圧縮沈下を生じる原因となる。

切土の場合は、スレーキングにより風化速度が速くなり、深部にまで風化が進みやすい。また、強度低下により斜面崩壊や地すべりの要因となる。切土のスレーキング風化を防止するには、切土面をできるだけ乾燥させないようにすることが重要である。このためには、切土直後に緑化やのり枠等で切土面を保護することが望ましい。

「サンイン技術コンサルタント(株) 谷口 洋二」

参考文献
土質工学会編:技術手帳2,P188.

 

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土質と地質

土質と地質という用語は似て非なるものです。元来、土質が土質力学や土質工学と呼ばれる学問分野から出てきた用語で、土の性質を表しています。一方、地質は表層の軟らかい地盤より深い岩盤や、山岳地の地盤・岩盤の性質を意味しています。感覚的には、土質が軟らかい地盤、地質が硬質な地盤や岩盤を対象としていると言えます。

両者を扱う専門分野は異なり、大雑把に言って工学と理学の違いがあります。そのため技術士の分野でも「建設部門-土質及び基礎」と「応用理学部門-地質」のように区別されており、両者の違いを整理すると下表のようになります。

技術士専門科目の内容の比較
技術士専門科目 土質及び基礎 地質
部門 建設部門 応用理学部門
主な出身学科
  • 工学部土木工学科
  • 工学部建設系学科
  • 理学部地質科、地学科
  • 工学部資源工学科
  • 教育学部地学科
履修内容 土質力学、構造力学、水理学、測量学 地質学、地質構造学、地質鉱物学、堆積学
主な対象地盤 軟弱地盤、一般の土砂地盤人工地盤 岩盤、硬質地盤
主な対象構造物 河川堤防、道路、鉄道、土地造成、橋梁、斜面、シールドトンネル、建築基礎 山岳道路、ダム、山岳トンネル、地すべり、斜面、原子力
主な要素技術
  • ボーリング調査
  • 原位置試験(貫入試験、etc.)
  • 現場試験(平板載荷、etc)
  • 現場計測(沈下、変位、etc)
  • 地下水調査
  • 環境調査(土壌汚染、etc.)
  • 土質試験、水質試験
  • 構造物基礎調査
  • 耐震地盤調査(液状化、etc.)
  • 沈下解析
  • 支持力解析
  • 地盤応力変形解析
  • 地下水流動解析
  • 地形・地質踏査
  • 岩盤ボーリング
  • 斜面防災調査(落石、etc.)
  • 地すべり調査
  • 物理探査(弾性波探査、etc)
  • 物理検層(PS検層、etc.)
  • 孔内原位置試験
  • 地下水調査・計測
  • 岩石試験
  • 岩盤応力解析
  • 岩盤亀裂解析

(基礎地盤コンサルタンツ(株) 岩崎公俊)

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砂の安息角と内部摩擦

安息角(angle of repose)とは、地盤工学会発行の土質工学用語集には、“自然にとりうる土の最大傾斜角で、乾燥した粗粒土の場合は高さに関係しないが、粘性土の場合は高さに影響されるので、安息角は一定の値にならない”と説明されている。

この粗粒土(砂)の性質を利用して、砂山の安息角を測定することにより、内部摩擦角を推定することができる。

応力の状態の解説図
図-1 応力の状態

図-1に示した応力状態の時、斜面が安定するには、すべり力Tと抵抗力Sの間に、T≦Sの条件が成り立つ必要がある。これを展開すると、以下のようになる。

  • W・SINβ≦W・COSβ・TANφ
  • TANβ≦TANφ
  • φ≧β

すなわち、内部摩擦角φは斜面勾配β以上の値であり、安全率1.0の極限状態では内部摩擦角φは斜面勾配βと等しくなる。

砂の安息角(安定勾配)の測定例

乾燥した砂を自然落下させる。
砂の安息角(安定勾配)の測定例。乾燥した砂を自然落下させる。

砂山の勾配βを測定する。
砂の安息角(安定勾配)の測定例。砂山の勾配βを測定する。

「サンイン技術コンサルタント(株) 谷口 洋二」

参考文献
土質工学会編:技術手帳1,P142.

 

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花崗岩の風化

花崗岩は通称「みかげ石」と呼ばれており、粒子の大きさが数mm程度の石英、長石、雲母などの鉱物からなる岩石です。できた時代はいろいろですが、中国地方に広く分布しています。石垣や敷石、墓石などに古くから利用されており、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。また、花崗岩が風化すると「まさ土」と呼ばれる白っぽくてザラザラした土になります。これも園芸などで広く使われています。このように、花崗岩は人間と関わりの深い岩石なのです。ところが、花崗岩からまさ土への風化過程は他の岩石に比べて複雑で、その機構も完全には解明されていません。

花崗岩は一般に、節理と呼ばれる縦や横の亀裂が発達しています。その亀裂に沿って水や空気が進入すると、長石、雲母などが粘土鉱物へと変化して「まさ土」化するのです。亀裂間隔が1m以上の地域では、「コアストーン」と呼ばれる未風化礫(大きいときは直径数mにも達する)がゴロゴロする特異な地形を形成します。また、亀裂間隔が数cmの亀裂密集帯では、水が岩盤全体に浸透するため風化が進行し、地表から100m以上の深さまで「まさ土」からなる「深層風化帯」を形成します。

風化した花崗岩は掘削がしやすい反面、災害の危険性も併せ持っています。まさ土化が進んだ斜面では崖崩れや土石流などの土砂災害がしばしば発生します。また、コアストーンが山腹斜面に点在する地域では落石の危険性があります。さらに、岩自体は非常に硬質でも、亀裂や節理に囲まれた岩塊が崩壊やすべりを起こすこともあります。

このように、花崗岩は風化形態により様々な表情を見せます。我々は、昔の人と同じように花崗岩を開発するだけでなく、上手に付き合っていく必要があります。

深層風化状況(20m以上)
深層風化状況の写真

まさ土の近景(手で簡単に崩せる程度)
まさ土の近景写真

コアストーン(大きいものは径2m)
コアストーンの写真

節理が発達した硬質な花崗岩写真節理が発達した硬質な花崗岩。1m程度の岩塊が節理沿いに抜け落ちている。

「復建調査設計株式会社 小笠原 洋(おがさはら ひろし)」

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土・地盤を分類する

土木や建築では、丈夫で安全な構造物を作るためには地盤がどんな土で出来ているか知る必要がある。土の強さや変形特性は土の種類毎に整理され、その情報を利用するためにはボーリングなどの地盤調査を行い、土を分類する必要がある。

土を分類する

構造物を作る土地においてボーリング調査を行うことで、N値と代表的な土の試料を得ることが出来る。土は観察により、粘土、シルト、砂、礫あるいは粘土質砂などと分類する。

基本的な分類方法は、地盤工学では「地盤材料の工学的分類方法(地盤工学会基準:JGS 0051)」に基準化されている。地盤材料は図-1に示すように、粒径に応じて砂粒子(あるいは砂分)とか礫粒子(あるいは礫分)と表される。なお、土壌学や地学とは多少の違いがある。

土質材料の工学的分類体系の図

この方法は観察と土質試験値(含有率、塑性図)が必要であるが、ボーリング調査では土質試験を行いながら土を分類することは少なく、通常は目視観察により土の分類を行いボーリング柱状図を作成する。

  1. 分類する試料
    通常、φ66mmのコアチューブではφ50mm以下で採取され、標準貫入試験ではφ35mm以下で採取されるため、主として土質材料を対象とした分類となる。
  2. φ50mm以上の粗礫や玉石
    採取されたコア長で粒径を推定し、φ75mm以上あれば、「玉石まじり」とする。
  3. 細粒分の含有率を推定する。
    • 15%以下なら、細粒分まじり
    • 15%以上なら、細粒分質
    • 50%以上なら、細粒土
  4. 礫分(砂分)の含有率を推定する。
    • 15%以下なら、礫混じり(砂混じり)
    • 15%以上なら、礫質(砂質)
    • 50%以上なら、礫(砂)
  5. 以下のように、分類する
    • 細粒分(粘性あり)15%以下、礫分15%以下⇒粘土、礫まじり砂
    • 細粒分(粘性なし)15%以上、礫分15%以下⇒礫まじりシルト質砂
    • 細粒分(有機質土)15%以下、砂分15%以上⇒有機質土混じり砂礫

地盤を分類する

地形と地盤は密接な関係がある。地形を読むことにより、地盤とその地盤がどんな土から構成されているかを推定することができる。

地形は大略、山地、丘陵地、台地(段丘)、平地(低地)に区分でき、平地(低地)以外の地形(地盤)では支持力や沈下などの問題は少ないが、地すべり、斜面崩壊、土石流などの災害現象の問題が大きい。一方、平地では支持力や沈下などの問題はもとより、洪水、津波、液状化などの災害現象の問題も大きい。

表-1 地形区分とその地盤の問題点
地形 支持力|沈下 災害
山地 少ない あり
丘陵地 少ない あり
台地 少ない あり
平地 あり あり

ここでは支持力や沈下の問題がある低地地盤について、問題のある地盤を区分する。

平地(低地)は谷出口から河口までの地形とすれば、大略、扇状地、氾濫原、三角州に区分でき、そのうち氾濫原や三角州では軟弱地盤を形成していることが多い。

表-2 平地の微地形と地盤
地形 特徴 地盤構成
扇状地   谷口から扇状の緩傾斜地 礫~砂
氾濫原 自然堤防 旧河道や現河道沿いの微高地 礫~砂
旧河道跡 周辺の平地よりやや低く、細長い平地


粘土・シルト


礫~砂

後背低地 自然堤防の背後地 粘土・シルト
三角州 三角州 河口付近の低地で、流路は枝分かれ 砂~粘土・シルト
潟湖跡地 砂州の背後地 粘土・シルト
砂州 海岸に細長く岸と平行に延びた砂地形(例、米子~境港市の弓ヶ浜)

軟弱地盤とは軟らかい粘土や緩い砂で構成され、地盤沈下や地震時に液状化のし易い地盤である。したがって、平地で家を建てるなら、支持力や沈下の問題の少ない扇状地が良いであろう。また自然堤防は以前から集落のある地形であり、木造建築のような軽い建物ならば候補地に挙げられよう。

「アサヒコンサルタント株式会社 福田 正昭」

参考文献
地盤工学編:土質試験の方法と解説、pp.214~221、2000

 

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