わかりやすい地質百科

三成分コーン貫入試験

地盤を調べるとき通常ボーリングが行われますが、より簡便に調べる方法がいくつかあります。その代表的なものがコーン貫入試験です。これは円錐状いわゆるコーン状に先端が尖った棒を地中に押し込むもので、大きな押込み力が必要な場合は固い地盤で、小さな押込み力で貫入する場合は軟らかい地盤であるということが容易に想像できます。

地盤への貫入の仕方に、油圧や手動で徐々に貫入させる場合(静的貫入)と打撃により貫入させる場合(動的貫入)があります。

三成分コーン貫入試験というのは、この静的貫入によるコーン貫入試験のうちで比較的最近開発されたものです。従来のコーン貫入試験は、コーンの貫入に必要な力だけを測定していたのですが、それでは、地盤が砂なのか粘土なのかが分かりません。そこで、三成分コーンでは次の三つの成分をして、地盤の土質を始め強度などを推定するものです。

  1. 先端抵抗
  2. 間隙水圧
  3. 周面摩擦抵抗

三成分コーン貫入試験の特徴を整理すると次のようになります。


長所

  • ボーリングに比べ安価(単価は半分以下)
  • ボーリングに比べ迅速(時間は半分以下)
  • 三つの測定成分を用いることで土質の判定ができる
  • ボーリングでは困難な,軟弱粘土層中の砂の薄層の検知

短所

  • 土を採取できないため,地盤の強度は推定値しか分からない
  • N値20回程度以上の硬い地盤では貫入できない

このような特徴を生かし次のような活用がなされています。いずれも、ボーリングのみの調査に比べて大幅なコスト縮減に結びつけることが可能となります。

  1. 沿岸部の道路,堤防など延長の長い構造物の調査でボーリングの補間
  2. 埋立地のように土質変化が激しい場合の土層構成確認
  3. 谷部の軟弱地盤の層厚確認

(基礎地盤コンサルタンツ株式会社 岩崎公俊)

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

平板載荷試験

平板載荷試験は、載荷板の荷重沈下曲線から地盤反力係数や極限支持力などの地盤の支持特性を求めることを目的とした試験方法です。平板載荷試験から求まる地盤の支持特性は基礎の設計に対して重要な資料となります。

ただし、平板載荷試験結果に影響する地盤の範囲は、深さ方向に対して載荷板の直径の1.5~2.0倍程度(直径30cmの載荷板では、深さ45cm~60cm)であり、実構造物基礎の寸法は、載荷板の寸法より大きいことが多く、その支持特性に影響する深さは、載荷試験の場合に比較して大きくなりがちです。

したがって、載荷試験の結果を基礎の設計等に利用する場合は、このような寸法の違いによる支持特性への影響を十分に考慮して行う必要があります。

平板載荷試験による測定状況
平板載荷試験による測定状況写真1平板載荷試験による測定状況写真2

平板載荷試験結果整理図
平板載荷試験結果整理図の例

「株式会社ソイル・ブレーン 河村志朗」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

物理検層

ボーリング孔を利用して孔壁周辺の地層の物理的性質を調べる原位置試験のことです。ボーリング調査では地層から試料を採取して直接的に色、岩質、硬軟、割れ目の程度を調査するのに対し、物理検層では、地層の物理的性質のうち、電気的性質、速度伝播性、放射能強度、温度特性等を捉え、間接的に地層の状況を明らかに使用とする調査法です。これらの種類を表に示します。

物理検層は多くの場合、ボーリング孔内に降下する検知器部分、地表で測定記録する器械の部分、これらを結ぶ電線・ケーブル部分とから構成されます。

物理検層方法の一覧表
調査法 求まる物性値 利用方法 適応地質
PS検層
(速度検層)
P波速度(Vp)
波速度(Vs)
岩盤分類(岩級区分、土工区分)
動弾性係数の推定
耐震設計地盤定数
ケーシング内は不可
崩壊性地盤は塩ビパイプで保護する
電気検層
(マイクロ検層)
見かけの比抵抗値
(ρa)
地層の区分
帯水層の判定
断層の検出
ケーシング内は不可
泥水でも測定可
温度検層 孔内温度
(水温)
水温分布
地下水流動箇所
ケーシング内でも可
キャリパー検層 掘削孔径 掘削孔径の変化状態 ケーシング内は不可
密度検層 散乱γ線強度 地層の密度 ケーシング内は散乱補正が必要

電気検層測定器具

電気検層測定器具の写真

電気検層・温度検層測定事例
電気検層・温度検層測定事例グラフ

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

住宅基礎地盤調査のためのサウンディング

サウンディングは地盤調査法の一種で、やじり等のような抵抗体を地盤中にねじ込む、叩き込む、押し込むなどの方法で実際に地盤を破壊させ、その時に必要な力を測定して地盤の強弱を明らかにすることです。サウンディングには抵抗体の形や地盤の破壊方法によって表に示す多くの方法があります。

戸建住宅地での地盤調査には、費用も安く、建物荷重に必要な地盤の支持力を簡単に求めることのできる、スウェーデン式サウンディング試験が広く用いられています。特に住宅性能保証の点からも、敷地内で数点以上を実施して地盤を評価し、それに応じた建物の基礎構造を決定するのに用いられています。具体的には以下のように行います。

  1. 小規模建築物である
    • 砂礫や玉石のない地盤ではスウェーデン式サウンディング
    • 砂礫や玉石のある地盤では機械ボーリングと標準貫入試験(「N値」参照)
      あるいは簡易動的貫入試験
  2. 調査深度は建物幅の1.5~2倍としますが、良好な地盤が確認できれば浅くてもよい
  3. N値または換算N値を求めます[Wsw(N)、Nsw(回)]
    • 砂ではN=0.002Wsw+0.067Nsw
    • 粘土ではN=0.003Wsw+0.05Nsw
  4. N値から許容支持力を推定します
    • 砂では8N(kN/m2)
    • 粘土では10N(kN/m2)
  5. 許容支持力により適合する基礎構造を選定します
    杭基礎を用いないときには置き換えや地盤改良を行います

スウェーデン式サウンディング試験機器
スウェーデン式サウンディング試験機器の写真

自動式試験機による測定状況
自動式試験機による測定状況の写真

地盤の許容支持力
地盤の長期許容支持力度
[kN/m2]
建物の基礎構造
20未満 基礎杭
20以上30未満 基礎杭又はベタ基礎
30以上 基礎杭、ベタ基礎または布基礎
地盤支持力の目安
地盤 長期許容地耐力
[kN/m2]
備考
(Nsw値)
砂質地盤
  • 密なもの
  • 中位
  •  
  • ゆるい
  • 非常にゆるい
  • 300
  • 200
  • 100
  • 50
  • 30以下
  • 400以上
  • 250~400
  • 125~250
  • 50~125
  • 50以下
粘土質地盤
  • 非常に硬い
  • 堅い
  • 中位
  • 軟らかい
  • 非常に軟らかい
  • 200
  • 100
  • 50
  • 30
  • 20以下
  • 250以上
  • 100~250
  • 40~100
  • 0~40
  • Wsw1000N以下
関東ローム
  • 硬い
  • やや硬い
  • 軟らかい
  • 150
  • 100
  • 50以下
  • 50以上
  • 0~50
  • Wsw1000N以下
サウンディングの種類
名称 貫入・
連続性
測定値・
可能深度
推定値 適用地盤 特徴
標準貫入試験(SPTと略す) 動的

不連続
N
調査深度の制限は基本的にない
qu、φ、γt qa、E 全ての地盤
玉石・砂礫では注意を要す
一般的である
ボーリング併用
JISA1219
大型貫入試験 動的

不連続
Nd
調査深度の制限は基本的にない
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 砂礫地盤に有効
一般的ではない
簡易動的コーン貫入試験 動的

連続
Nd
3-5m
N、qc、Nsw 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 急傾斜地に有効
小規模住宅基礎地盤調査でも使用している
JGS1433
オートマチィックラムサウンディング 動的

連続
Nd
30m
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す スウェーデンの規格
最近ではSS試験の替わりに多用されている
鉄研式大型動的コーン貫入試験 動的・
連続
Nd
15m
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す SPTの補助に利用される
鉄研式中型動的コーン貫入試験 動的

連続
Nd
10m
N値と同様 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す SPTの補助に利用される
土研式動的コーン貫入試験 動的

連続
Nd
1m
N 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 道路路床調査に利用される
スウェーデン式サウンディング試験 (SS試験) 静的

連続
Nsw,Wsw
15m
N、qu 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す SPTより作業が簡単
人力搬入可能
オランダ式二重管コーン貫入試験 静的

連続
qt
15-30m
c 全ての地盤 玉石・砂礫では注意を要す 周面摩擦の影響を受けない
機材の搬入を要す
ポータブルコーン貫入試験 静的

連続
qc
5m
柔らかい粘土地盤 簡易試験
迅速で簡便な器具
三成分コーン試験 静的

連続
qc
30m
c、間隙圧u 柔らかい粘土・砂質土地盤 信頼度が高い
高価な機材
電気的静的コーン貫入試験 静的

連続
qt
30m
c、間隙圧u 柔らかい粘土・砂質土地盤 信頼度が高い
高価な機材
原位置ベーンせん断試験 静的

不連続
τv
15m
非排水せん断強さc 柔らかい粘土地盤 地盤の強度が直接測定できる
孔内水平載荷試験 静的

不連続
p、r
調査深度の制限は基本的にない
変形係数,非排水せん断強さ 孔壁の自立するあらゆる地盤 推定値の力学的意味が明瞭である
ボーリング併用

地盤工学会:地盤調査法1995に加筆

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

N値

土や地盤の硬さを調べるときに、地中に鉄筋のような硬いものを打ち込むと、やわらかい地盤では簡単に入りますが、硬い地盤ではなかなか入りません。このように物体を地盤中に押し込んだり、引き抜いたり、回転させたりするときの抵抗値によって地盤の硬軟状況を調べる方法をサウンディングといいます。

N値は標準貫入試験といわれる代表的なサウンディングによって求めた値で、地盤の硬軟や締り具合を示します。標準貫入試験は、質量63.5kgのハンマーを75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させる試験です。このときの貫入に要する打撃回数(50回を限度とします)をN値といい、N=2、N=30のように表示します。

N値は土の工学的性質の概略値として知ることができるため土木・建築の分野では広く応用されており、構造物設計のための地盤の支持力や強度の評価に用いられています。たとえば、N=30以上の砂礫地盤であれば橋を支えることができると評価します。

貫入試験状況 中央がハンマー
貫入試験状況の写真。中央がハンマー。

貫入試験サンプラー
(二つ割りに開いた 状況-右端が先端)
貫入試験サンプラーを二つ割りに開いた写真。

「株式会社ウェスコ 伊藤 徹」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

物理探査

地盤は、一般的に小石・砂・粘土・水などが多様に混在する土や各種の岩石により複雑に構成されています。光以外の様々な物理現象を仲介として、間接的に地盤の中の物理的性質と状態を地表から調査する手法を「物理探査」といいます。

物理探査法は、対象とする物理量によって「弾性波探査」「電気探査」「電磁探査」「磁気探査」「重力探査」「放射能探査」「地温探査」等に区分されます。下図に電気探査比抵抗法及び弾性波探査屈折法のうち、トモグラフィー的解析を行う高密度電気探査及び高精度弾性波探査屈折法の解析結果例を示します。

地盤調査における物理探査方法の一覧
  方法 物理現象 測定項目 主な利用
弾性波探査 屈折法 弾性実体波 弾性波速度 地盤構成・物性
反射法 弾性実体波 反射係数 地盤構成
音波探査 音波 反射係数 海底地盤構成
常時微動測定 地盤振動 卓越周期 地盤特性
表面波探査 弾性表面波 伝播速度 浅部地盤特性・物性
浅層反射法 弾性実体波 反射係数 地盤構成
弾性波トモグラフィー 弾性実体波 弾性波速度 詳細地盤構成・物性
電気探査 比抵抗法 電流・電位差 見掛け比抵抗 地盤構成・地下水
IP法 電気分極 周波数効果・充電率 熱水変質帯判別
電位法 自然電位 電位差 変質帯判別
比抵抗トモグラフィー 電流・電位差 見掛け比抵抗 詳細地盤構成
電磁探査 MT法 電流・電位 見掛け比抵抗 深部地盤構成
地下レーダー 電磁波 反射係数 深部地盤構成
電磁波トモグラフィー 電磁波 電磁波速度・減衰 詳細地盤構成
その他 磁気探査 静磁気・地磁気 磁気異常 磁性物質分布
重力探査 重力 重力異常 地質構造
放射線探査 放射能 放射線強さ 断層
地温探査 地中熱 地中温度 水みち
リモートセンシング 電磁波 スペクトル 地質構造

解析結果例 高密度電気探査
解析結果例 高密度電気探査

解析結果例 高精度弾性波探査屈折法
解析結果例 高精度弾性波探査屈折法

「宇部興産コンサルタント株式会社 森岡 研三」

わかりやすい地質百科

地質汚染

人間が環境中に放出している廃棄物や廃液には有害物質が含まれています。

それらの大部分は最終的に地質圏(地下)に浸透し、地下水を汚染します(地下水汚染)。また地層粒子を汚染し、地層状の有害人工地層として固定されます(地層汚染)。

さらに、汚染地層や汚染地下水からは有害ガスが発生することもあり、地下空気を汚染させます(地下空気汚染)。

地層汚染(土壌汚染を含む)、地下水汚染、地下空気汚染をまとめて、地質汚染といいます。これら3つの汚染は、互いに関連しながら進行していきます。

汚染現場周辺の正確な地質構造・水理地質構造を調べ、汚染物質の浸透と拡散など汚染機構とその過程を明らかにして対策を講じる必要があります。

地質汚染の調査・対策の手順は、その現場と社会の実状にあわせて、いかに効率よく地層汚染や地下水汚染、地下空気汚染をなくすかが基本となります。

調査・対策現場では、汚染被害の事前調査と対策→汚染機構解明→診断・予測と対策の決定→汚染物質除去対策→監視(モニタリング)、の流れ図に沿って行うのが合理的です。

地質汚染の原因を地質調査や各種の分析調査で明らかにし、その知見を地球環境の保全に生かしていくことは、ジオ・ドクターとしての重要な社会的役割の一つです。

地質汚染の概念図

地質汚染機構解明調査の手順

  1. 既存資料の収集解析+サイトマップの作成
  2. 地下空気汚染調査
  3. 地層汚染調査
  4. 地下水汚染調査
  5. 地質汚染機構の解明

地質汚染浄化の手順

  1. 地質汚染機構解明調査
  2. 汚染浄化のための精査
  3. 最適な場所と技法の選択
  4. 完全浄化

「第一コンテク株式会社 駒崎友晴」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

地盤沈下

地盤沈下は、地表面の相対的な沈下現象のことを示しており、主たる原因としては、地球内部の運動いわゆる地殻変動によって生じるものと、人工的又は自然的原因によって生じるものとがあります。私たちの日常生活で話題となる地盤沈下の多くは、ほとんどが海岸近くの沖積平野に集中しています。

地殻変動による地表面の変状には、地震の前後や火山活動によって生ずるものがあります。最近では1995年の兵庫県南部地震や1999年の台湾・集集地震での大規模な地盤の隆起や沈下が記憶に新しいことと思います。

沖積平野地域における地盤沈下は、地盤中の液体(多くは地下水)を抽出(揚水)することによって生じる圧密沈下によるものや、盛土などの荷重を新たにのせることによって生じる圧密沈下によるものが主体と考えられます。

圧密とは、水をたっぷり含んだスポンジを両手で抑えると、水がしぼり出されてその分だけスポンジが収縮するような現象のことです。つまり、水が強制的に排除されたり、排除するような力(荷重)が加わると、スポンジのように柔らかい地盤で構成されている地域では圧密により地盤沈下が生じます。

私達の地盤を構成している土は、土粒子とその間の間隙とで構成されており、砂よりも粘土のほうの間隙がはるかに大きく、しかもその間隙は水で満たされています。さらに、地盤の生成された時代が新しいほど間隙はより大きくなります。このように、地盤のつくられた時代が新しく(埋立地や造成盛土を含む)、かつ、その土が粘土に近く、間隙が水で満たされているような地盤は圧密沈下の発生しやすい状況にあります。

地盤沈下が生じると、地表面の構造物も一緒に沈下していくために水路が流れにくくなったり、構造物が傾いたりします。このため構造物が沈まないように長い杭で支えとやると、逆に建物が抜け上った状態となります。このように、地盤沈下は周辺地表面との沈下量に差が生じるため、私達の生活環境に影響を及ぼすこととなります。なお、都市部での過剰な地下水汲み上げにより発生する広域沈下と呼ばれている現象は全国の平野部で多く見られましたが、地下水汲み上げ量の規制を強化したことによってかなり沈静化しています。

建物(杭基礎)と外構との不同沈下
(撮影:都宮和久)
建物(杭基礎)と外構との不同沈下の事例写真

軟弱地盤上の道路の変形(凹凸)
(撮影:都宮和久)
軟弱地盤上の道路の変形(凹凸)事例写真

建物と外周構造物との不同沈下の事例写真建物と外周構造物との不同沈下
沈下により階段部分にブロックが継ぎ足しされ、新しい階段とされている。右側の斜路部擁壁には約30cmの沈下が生じている。

橋梁との取り付け部の沈下の事例写真橋梁との取り付け部の沈下
堤防部分が沈下しコンクリート壁や護岸ブロックに亀裂や変状が発生している。

「株式会社ウエスコ 伊藤徹」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

地すべり地形

地すべりは大規模な侵食現象の一つであり、一般に頭部付近には馬蹄形状の凹地形、末端付近は凸状の押し出し地形などが形成されます。地形図上では周辺部より緩斜面であったり、等高線の乱れなどから地すべり地として認識することができます。以下にいくつか例を紹介します。

地すべり事例写真。大きな滑落跡と、下方の緩斜面(泥岩分布)の地すべり。「写真1」正面の山腹斜面(安山岩)に大きな滑落跡がみられ、下方の緩斜面(泥岩分布)で地すべりを生じています。安山岩の山は地すべり地への地下水供給源となっており、これを助長する原因の一つとなっています。
このように地すべり地は地下水が多いことからしばしば水田として利用され、また土壌が撹拌されることから、おいしい米ができると言われています。

地すべり事例写真。岩盤地すべりと陥没帯。「写真2」山頂付近に地形のくびれがあり、土地が陥没したように見えます。岩盤地すべりではこのような陥没帯を形成することが多く、写真からは矢印方向への大規模な地すべりが予想されます。ちなみに日本の地すべりでは比高150mの山が真っ二つに割れ、斜面長700m、すべり面傾斜2~3度で滑動するといったものもあります。

地すべり事例写真。表層すべりの断面。「写真3」地すべり対策ではその断面図を作成し、様々な検討を行いますが、最も重要なのはすべり面形の決定です。
写真は規模の小さい表層すべりですが、本物の地すべり断面であり、珍しいものです。
これによれば中腹部に基岩面の変化点があり、これを境に上部と下部に細ブロック化し、地表面にその影響が表れているのが良く分かります。

「国土防災技術株式会社 瀬崎 茂」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科

土砂災害への備え~こんな前触れには御注意を

こんな前触れにはご注意を!
ふだんから、自分たちの住む地域の自然条件に関心をもっていることが大切です。

豪雨の時長雨の時洪水警報発表の時
は、土砂災害が発生する危険が高まります。

山崩れの危険信号

がけ崩れ

がけ崩れのイメージ

  • 斜面から水がふき出す。
  • 小石がパラパラ落ちてくる。
  • がけに亀裂が入る。
  • がけから流れる水が濁る。

土石流

土石流のイメージ

  • 山鳴りや立木の裂ける音、石のぶつかりあう音が聞こえる
  • 川の流れが濁ったり、流木が混ざりはじめる。
  • 雨が降り続いているのに、川の水位が下がる。
  • 腐った土のにおいがする。

地すべり

地すべりのイメージ

  • 斜面から水が吹き出す。
  • 沢や井戸の水が濁る。
  • 地面にひび割れができる。

「内海建設コンサルタント株式会社 勝原建夫」

このページのキーワード。関連するページはこちらからどうぞ。

わかりやすい地質百科へのリンクバナー

▲ページの先頭へ